印鑑を彫る事に没頭した青年時代
最初は印鑑職人になる気は全くなかったんだよ。
私は9人兄弟の末っ子として生まれて、
工業高校を出て憧れだった工場の仕事についたんだ。
その当時、狭くて古く品揃えがお世辞にも多いとはいえないお店で、父が印鑑職人として商っていたが職人気質なためか、気の合わない人には印鑑を造らないそう言う事も少なくなかったね。
工場に勤めて13年経った時、人生のターニングポイントが訪れたんだよ。一身上の都合で会社をやめて、悩んで悩んだ末に父の仕事を継ぐ事を決めたんだ。
当時、嫁と子供2人、家のローンもあって、これからこの小さい店で暮らしていけるのか日々不安との戦いだったよ。
店を継いでからと言うものまさに年中無休、
休みは正月だけでとにかく仕事に没頭したね。
職人なんてカンタンだ、って思ったよ(笑)
当時はファックスなんてなかったから、
各企業に営業に行って注文を取ってきて、夜印鑑を造って仕事の合間合間で印鑑のコンクールに出展するため日々腕を磨いたんだ。
一つの物にとことんこだわる性格だからか、
気づいたら日が変わってた事もあったな(笑)。
職人なんて簡単だ、印鑑も簡単に彫れると思っていたよ。
若かったんだねえ(笑)。実際はとても大変だったなぁ。
でも、あのとき逃げ出さず一つ一つ下手なりに一生懸命がんばったから、技術と知識が付いたと想うよ。
若い時は買ってでも苦労をしろと言うが、
今ここにいる自分をつくってくれたのはあの頃の辛さだと思うよ。

彫刻士、上野山正時の受賞歴
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印章歴35年 印鑑彫刻数5万本以上
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妻から見た彫刻士「上野山正時」とは?
基本、
物ごとの執着はあまりしない人なのに、印鑑の事になったら人が変わったように目つきが変わるんですよ。「ここはこうして」「ここをもっと曲げて」とか。
凝り性のせいか、時間があったら何時間も一つの印鑑を造っていることもありますね。
出来上がった印鑑をうれしそうに、私や息子に見せて喜んでいる姿はまるで子供のようですね(笑)。
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